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さて、今号のコラムは『焙煎茶の新茶』です。
秋の新茶を買う前に、これだけは知っておきましょう。
◆台湾人は新茶を飲まない?
秋冬は焙煎の効いたお茶が美味しいですね。新茶と聞くとすぐ
飛びついてしまう方も多いと思いますが、中国茶・台湾茶の
"新茶"の選び方にはちょっとポイントがあります。
日本人は新茶に敏感です。我々には緑茶を嗜む文化が古くから
あり、また緑茶は基本的に新鮮なものほど美味しいので、
日本人が新茶に惹かれるのは自然なことだと思います。
実は、本場台湾では日本ほど新茶がもてはやされることは
ありません。というのも烏龍茶は水分が低く安定性が高いので、
品質の良いものはほとんど劣化しないからです。台湾では
冬茶が好きな人は年中冬茶を、春茶が好きな人は年中春茶を
飲むことが多いのです。
。・。・
◆出せば売れる焙煎マジック
新茶の走りには、前季の売れ残りが再焙煎され"新茶"として
出回るケースが多々あります。強く火を入れればばれないだろうと、
別の品種を烏龍種(青心烏龍)として出すことも珍しくないのです。
近年はより安価な中国産、ベトナム産の茶葉が好んで使われます。
わるい茶葉はもともとの質度(滋味密度)が乏しいだけでなく、
走味(劣化)も著しく進行しています。再焙煎しても香りは
表面だけで味わいはスカスカ、もちろん煎も続きません。
強めの焙煎を施すためには、発酵度が高く安定性に優れた
毛茶(荒茶)の目利きが欠かせません。
これはよく誤解されるのですが、焙煎師に求められるのは
飛びぬけた焙煎技術ではありません。むしろ毛茶の仕上がり、
発酵度を客観的に正しく判断できる能力が全てといっても
過言ではありません。実際の焙煎方法はそれに従って自ずと
決まってしまうからです。
たとえば発酵の軽いロットを中焙煎にしようとしても、
茶葉の滋味成分を破壊するだけで美味しさが引き出されることは
ありません。一方、発酵の強いロットはある程度強く火入れを
施してはじめて茶葉の持ち味が発揮されるのです。
。・。・
◆良品から消えてゆく
発酵には高度な製茶技術が求められますが、製茶後まもなく
良いロットからバイヤーや焙煎師に引き取られていくので、
次のシーズンまで良品が茶商や茶農の手元に残ることはないのです。
焙煎オーバーを"炭火焙煎"や"老茶"、渋みやえぐ味は"野生茶"など
ありがたそうな名前にすり替えて売られてることもあります。
きれいな茶缶に詰められたギフト品は、保存性を高めるため強く
火を入れます。これも残り物のはけ口となる可能性が高いと
言われています。
。・。・
店頭やネットでは秋の新茶が出てくる時期です。
買った後にがっかりするのは辛いですよね。
でも購入前にいろいろチェックできることはありますよ。
正しい知識を持って臨みましょう。
*関連リンク: 高山茶を考える 文山包種茶〜存期4年蔵出し老茶(中焙煎) 凍頂烏龍茶〜懐郷(中焙煎) 木柵正欉鐵観音(中〜重焙煎) 木柵佛手(中〜重焙煎)
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