もくさくせいそうてつかんのん・ラオチャ

木柵正欉鐵観音・存期15年老茶

当初、店主は通なお茶、レアなお茶くらいの感覚で老茶を探していました。ところが研究を進めるにつれて、本物に出合えない理由が明らかになりました。老茶はリスクが高すぎて作るに作れないお茶だったのです。

たいへんな時間と労力を費やし、本物を手にしたのは一度きりでした。現在、誰も作らないのなら、店主がこれまで得た知識をもって老茶を作ってみようと試行錯誤しています。ご紹介できる見込みが立ちましたらメルマガでご紹介します。

店主のコメント

私がこれまで台湾で目にした老茶の99%が偽物です。大きく分けて2種類の偽物が出回っています... (発売1ヶ月で完売しました)

完売しました

100%本物保証!
それは、あなたが初めて出会う老茶です

台湾茶ドットネットの台湾茶メルマガ [台湾茶即時報]からの転載です。
老茶にご興味がある方は、是非読んでください。

老茶(lao cha)と陳年茶(chen nian cha)は同義です。
始めに断言します。私がこれまで台湾で目にした老茶の99%が偽物です。大きく分けて2種類の偽物が出回っています。

ケース1:毎年1回または定期的に再焙煎したもの

典型的な偽物です。あまりに広く出回りすぎて、これこそが本物の老茶だと勘違いしてる方が多いです。

茶葉はたいてい黒々しています。黒光りは炭化の証。お茶としての価値がないだけでなく、体に良くないので絶対に買ってはいけません。焙煎すればするほど原味(yuan wei;生茶の味)から遠ざかるため、茶質(cha zhi;滋味成分)に乏しい低質な茶葉や外国産の茶葉が好んで使われます。

必要以上に焙煎を加えた茶葉は、安定性に欠き、冷めると雑味や濁りを生じます。そして不快な酸味へと変化します。その酸味を熟成やら陳味(chen wei;熟成味)という言葉にすり替えて販売してるのが現状です。

私は初めての取引先には必ず「老茶はありますか?」と尋ねます。この種の茶葉をやすやすと出してきたら、取引しません。

台湾で10年、30年、中には50年物といわれる老茶を見てきましたが、ほとんどが偽物か不良品でした。台湾の茶商が皆プロだと思ってはいけません。鑑定眼の全くのない人やとんでもないウソをつく人はたくさんいます。老茶を正しく理解してる茶商であれば「老茶なんてあるわけないだろ!」と返します。

ケース2:売れ残りが古くなっただけのもの

木柵正欉鐵観音などの重発酵茶や重焙煎茶は、良質なロットであれば時間の経過とともに陳味が生まれます。

当然良いものから売れていきますから、良い茶葉が茶商の手元に長く残ることはありません。つまり茶商が販売目的で長期保存することは考えられません

台湾で「古いのあるよ」と声をかけられたら、売れ残りを疑っていいでしょう。劣化を抑制するため、定期的に焙煎をかけることもあります。ケース1です。

水分がすでに低い状態で保存するため、熟成には時間を要します。その進行は、老茶的なふくらみを持つ方向に進むもあれば、朽ちていくだけのこともあります。後者の場合、表面上はどことなく老茶に近いものを感じさせますが、老茶のダイナミックさを味わうことはできません

老茶は、誤った知識が氾濫しすぎて、そのうちに誤認が正しい知識として定着してしまったのです。メルマガ読者の皆さんは正しく理解してください。

当店の老茶は本物を保証します

2年おきにごく軽く走水(zou shui)させながらじっくりと寝かせました。走水とは、乾燥で茶葉内部の水分を追い出してやることです。存期は約15年。私が入手した毛茶(mao cha;製茶後、焙煎前の茶葉)は見事に熟成し、赤々と紅潮して独特のオーラを放っています。それから1ヶ月に及ぶ丁寧な焙煎にかけられ、完成しました。

老茶作りはほとんど当たらない賭博に例えられます。どんなに自慢の1ロットを寝かせても、15年後に毛茶が良化している確率はごくわずかだからです。作ろうにも割に合わない茶葉なのです。茶葉の保存について「良い茶葉はより良く、悪い茶葉はより悪く」という、よく知られた法則があります。毛茶もこの法則が当てはまりますが、水分が高い毛茶は成功率はなお低くなります。

十分に後発酵していますので、口当たりは東方美人SP台湾紅茶・三峡茶区のように柔らかくなっています。質度(zhi du;滋味密度)は高く、光沢のあるワインレッドの茶湯から、湯気がゆっくりと湧き上がります。私がテイスティングした際には、水泡がカップの中心に留まったまま消えませんでした。それほど質度に富んでいます。

木柵正欉鐵観音の証である喉韻(hou yun;清涼感の後味)は、15年の時を経て桁違いに増幅しています。本物の老茶は飲み飽きません。飲めば飲むほど杯が進みます。納得できる老茶を探し求めること3年、ついにめぐり逢いました。台湾茶の最高傑作です。本日より頒布開始します。

お茶のデータ
商品名称 木柵正欉鐵観音・存期15年老茶
もくさくせいそうてつかんのん・ラオチャ
生産地 台北市文山區指南路三段
茶樹の品種 鉄観音
摘茶時期 1989年前後
茶園の海抜 300m
発酵度 重発酵+後発酵
烘焙程度 重焙火
推奨茶器 陶土製の茶壺、テイスティングカップ
茶葉の分量 茶壺 → 5分の1
テイスティングカップ → 底が隠れる程度
お湯の温度 98℃前後
時間の目安
(95℃)
茶壺 → 50秒
テイスティングカップ → 蓋をして50秒
(2煎目 -10秒、以降 +20秒ずつ)
木柵正欉鐵観音・存期15年老茶の2つの楽しみ方

茶壺で淹れる → 全ての茶器を充分温めてから、お湯をゆっくり回しかけ、蓋をして蒸らします。茶杯に入っているお湯もかけてあげると、茶器の温度が下がらず、茶葉の開きがよくなります。

テイスティングカップで淹れる → 後発酵による茶葉の成熟を理解するのにはテイスティングカップがよいでしょう。蓋のうらの香りはまるで東方美人のようです。

ワンポイントアドバイス

老茶をより深く理解したい方は木柵正欉鐵観音との飲み比べをお勧めします。