顧客を引き付ける“情報発信力”【台湾茶ドットネット】大倉健太様

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■現地で台湾茶を学ぶ

 
台湾茶ドットネット
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 今回ご紹介するのは、サイト開設わずか1年あまりながらも、“台湾茶葉”の専門店として多くの支持を集めるようになっている台湾茶ドットネットのWebマスター大倉健太様だ。アジアンティーがブームとなる中で、深い知識と専門性を持ち、分かりやすく美味しさを伝えることで大きな信頼感を与えているショップだ。店主自ら現地での仕入れを行うことで質を維持し、その熱意をストレートに伝えることでその世界に引き込んでいく、まさに理想的な展開を実現しているといえるだろう。

同氏が台湾茶と出会ったのは、まだ学生時代のことだったそうだ。一人旅で偶然に訪れた阿里山で頂いた高山茶の美味しさに夢中となり、その後も在学中はたびたび台湾に渡ってお茶を買ってくることを繰り返されていたそうだ。そして卒業後、同氏は単身で台湾へ渡られたそうだ。言葉も全く話せない状態で飛び込まれ、現地で開催されている大学には茶道部や地域の茶道教室など、積極的に参加されたそうだ。そして「先生について1年半ほど中国茶道を学び、台湾茶の基礎知識に自信をつけ帰国しました。」

   本場で中国茶道の知識を体系的に学んだことで、それまでの日本で得ていた台湾茶に関する情報がひどく薄っぺらいものであったことに気づかされたそうだ。「当時も少なからず台湾茶の販売店がありましたが、調べてみるとほとんどが欠片の知識もない商売人でした。」 この時点ですでに日本でもアジアンティーがブームと化していて、ブームに乗っただけの粗悪な商売を行なっていた店舗も多かったのだそうだ。「台湾茶に対する知識レベルの現状に失望し、自分が第一線に立って情報発信していくしかないと考え、サイト開設に至りました。」 これが2003年3月のこととなる。

現在、台湾茶の人気が上昇してきているのは、「台湾茶は、手を動かして“お茶を淹れる”ところにも多くの魅力があります。現れる表情は、ちょっとした淹れ方の違いで大きく変わってきます。」 と、それを味わうまでの過程にも魅力があるのだそうだ。お手軽に味わえるファーストフード的な食が増えている中で、こうした様式美を感じさせることも人気を得てきた一因なのかもしれない。

また「癒しアイテムとして広まった台湾茶に、健康ブームが加わった形ですね。」 という理由でもあるようだ。しかし、台湾茶を選ぶ際には、産地や収穫時期、そして実際に茶葉を見てみなければ、その質は判断できないという。現地の観光客や日本の一部店舗でよく見られた光景だそうだが、こうした情報が全く与えられず“勧められるままに高いものを買う”という方も多かったのだそうだ。高いものは良いものだ、という思い込みは一過性のブームを煽るだけになりかねず、粗悪品が出回る下地ともなってしまう。健全な市場の拡大とは言いにくいものでしかないだろう。

■情報量も多く、選びやすく

 
人気の茶葉「木柵鉄観音
  しかし、こうして新たに台湾茶に興味を持つ方が増えてくると、正しくその世界へ導いてくれる道しるべが必要となってくるはずだ。今やペットボトル飲料としてもすっかり定着した「烏龍茶」などは珍しくも無くなってきているが、その先へ一歩足を踏み出すには、意外と情報が不足しており“とっつきにくい”印象があるかもしれない。

同店の特徴として、商品の解説の詳細さが挙げられるだろう。販売されているどの商品に関しても非常に丁寧な説明文がつけられており、それを読んだだけで茶葉の背景が詳しく語られ、十分な理解が得られてから購入できることになる。「私は、あくまで台湾茶の“楽しみ方”を提案するにとどめています。まずはお客さんに商品を正しく理解してもらい、こう淹れたら美味しいのでは? など、自由に発想してもらえるよう気をつけています。」 こうした点の重要性はよく語られることであるが、意外と実現できている店舗は少ないものだ。押し付けがましさを感じさせない、淡々とした解説は見習うべき点であるといえるだろう。

初心者の入門編として、5種類の茶葉を少量ずつセットにしてある「お試しパック」が準備してあることも、使いやすさを増している理由だろう。さらに「シチュエーション別チャート」というページを設けて、“台湾茶・中国茶デビュー”、“毎日の食事に合わせたい”、“朝から飲みたい”など、シーンに応じた茶葉を選びやすく分類している。同店は商品数が多いタイプのショップではないが、こうした見せ方は商品を選びやすくするだけではなく、対面販売のようなきめ細やかさを感じることができるはずだ。

このため、同店の売上げの中でリピート客が占める比率は「7〜8割」と、非常に高い率に達しているそうだ。「ネットショップの台湾茶は当たり外れが激しいそうで、リピート客の単価は初めての方より格段に高いです。」 やはりお届けする商品がしっかりとしていることはもちろん、同店で台湾茶に興味を持つようになり、そして様々な種類のお茶を試してみたいと思わせるだけの知識の拡がりを感じられればこそのことだろう。

■仕入れは全て自ら行う

 
凍頂烏龍茶〜清香」画像のクオリティーも高い
 現在でも、茶葉の仕入れに関しては全て自らが行われているという。さらに生の情報を得るためにも何度も現地に足を運び、その頻度は「5月(春茶)と11月(冬茶)。各2〜3週間、完全休業。このほか、勉強会のため不定期で台湾に戻ります。この間も完全休業。」 と、その間は完全に業務をストップされるのだそうだ。やはり“良い茶葉を仕入れること”が、同店の最重要視されていることであり、これは致し方ないことなのかもしれない。

現在の店舗運営スタッフは「日本側1名(私ひとり)。台湾側十数人。」 という体制であるとのことであるが、それでも仕入れを任せることはないそうだ。「現地スタッフは仕入れは行わず、台湾全土に情報網を張り巡らせて、主に気象関連のニュース提供をお願いしています。情報の一部はサイトメルマガでもご紹介しています。」 こうしたネットワークが貴重な情報源となり、読者への特別なコンテンツとなる。こうした努力は常に続けられているそうで、「仕事で台湾茶と付き合うには、趣味レベルの知識では到底対応できません。実際、以前より今のほうが忙しく勉強するようになりました。」 こうした姿勢が最も重要となることは間違いない。

アクセスアップのために、Google社のアドワーズ広告への出稿をされているそうだ。それ以上に、同店は All About Japanの中国茶ガイドより「スーパーおすすめオンラインショップ2004」に選出されており、これによって「開店して一年。右肩上がりのアクセス数に加速度がつきました。リピート率が増し、固定客による売り上げで経営が安定してました。」 こうして新規ユーザーも順調に増え続けているという。

■“店主と顧客の距離が近い”ショップへ

 しかし、店舗の存在が知られるようになっていくと、同時に「他店による情報の盗用が絶えないことが悩みですね。」 といった問題も発生してしまっているそうだ。これに関しては確実な解決策というのは見当らないが、「メルマガを通して顧客の知識レベルを高め、顧客自身がショップの良し悪しを見極められるようになっていってほしいです。」 と、間接的な防御とされていくようだ。また、「メルマガに力を注ぎ、日本で発表されてない情報を一番に提供することにより差別化を図り、顧客の信頼を確実なものにしていきます。」 と、今後も情報発信力を高めていくことに力を注がれるという。

また、接客に関しても「インターネットなどのハイテクを選択肢にくわえながら、ハイテクとローテクを取捨選択していきます。具体的には、明細書の宛名をあえて手書きにしたり、メール便ではなく郵便で発送したり…。」 こうした手法も取り入れられて、さらにはこれに使う切手などもその季節ごとの記念切手をセレクトしたりと、細やかな配慮がなされているという。そして、これまでの利用履歴を元にサンプルを同封するなど、対面販売以上のサービスを目指されているのだ。

こうしたサービスが当然のように提供できるのも、「店からではなく“この人”から買ってるという印象を大切にしていきたいとおもってます。時代に逆行する面もありますが、情報化社会ならではの価値あるサービスに焦点を定め、提供し続けていきます。」 こうした“店主と顧客の距離が近い”タイプのショップ運営を心がけていかれているためだろう。

すでに同氏は、「ブームが落ち着き始めた中国茶業界、すでに淘汰の波が広がりつつあります。」 という認識を持たれているそうだ。「中国茶」というキーワードで検索してみると25万件を超えるサイトがひしめいているが、やはりその中で勝ち残っていくことは簡単なことではない。同店のような地道なスタイルが最終的に支持されていくことは間違いないだろう。

オーダーボックス・ドットコム 2004年5月

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