文山包種茶【華宵】
おすすめ
初めて飲むのに、なぜか懐かしい。
そんな体験が、この13年熟成の文山包種茶にはあります。
熟成過程で生まれたヒノキを思わせるぬくもり「陳香(ちんか)」と、栗を蒸したようなほくほくした甘さ。そこに、文山包種茶が本来持っているマスカットのような華やかさが重なり、立体的に調和します。
口に含むと、舌ざわりは緻密で、やさしい甘さがじんわりと広がっていきます。
飲み終えたあとも、詩の一節のように、心の中で静かに余韻が続きます。ただ「飲む」のではなく、時間を「慈しむ」ためのお茶。そんな表現がしっくりくる味わいです。
お茶請けは、和三盆糖のポルポローネが相性が良かったです。ほろほろと崩れる食感と和三盆糖の品の良い甘さが、お茶の穏やかな甘さとマッチし、双方の魅力を引き立ててくれます。
このお茶は、新茶のような派手さはありません。
けれど、その代わりに、時間とともに心に染み込んでいくような奥行きがあります。
一日の締めに、静かに味わいたくなるお茶です。(2025年5月17日発売→同日完売)